黒沢健一氏への追悼文

NON’SHEEPは3rd ALBUMに収録されている楽曲「遺書」「サメナイユメ」のプロデューサーとして黒沢健一氏を迎え、その他の収録曲でも黒沢氏にコーラスやギターで参加をして頂きました。
黒沢健一氏のあまりに早過ぎる他界の報せを受け、NON’SHEEPメンバーと当時サポートベーシストとして参加をしていた小島剛広氏からの追悼文を掲載させて頂きます。
心よりご冥福をお祈りいたします。

 

僕が人生で初めて手にしたCDはL⇔Rのアルバム「LACK OF REASON」でした。
当時、小学生だった僕は「HELLO, IT’S ME」を聴き、親に懇願して近所のCDショップで「LACK OF REASON」を買ってもらったのです。
まだ幼い僕にもL⇔Rの音楽はこの上なくキャッチーだったし、繰り返し何度でも聴きたくなるものでした。
今思い返せば黒沢さんの音楽は運命のように僕の耳に届いてきたのだと思います。
いつの間にかこうやってNON’SHEEPというバンドで音楽をやるようになって、メジャーレーベルからリリースをするタイミングでプロデューサーとして黒沢健一氏を迎えるのはどうかという話が出たとき、まさに点と点つながる感覚でした。
僕は「是非、お願いしたい」と即答しました。
レコーディングの準備段階から完成するまでの間、終始、黒沢さんは少年のように純粋に音楽を楽しんでおられました。
その様子は僕たちやスタッフにとても良い空気を与えてくれました。
偉ぶるなんて微塵もない、まるでバンドメンバーのように僕たちと同じ姿勢で取り組んでくれました。
レコーディングの終わり間際、僕が恥を忍んで自分の音楽原体験となる「LACK OF REASON」を手にサインをお願いすると、黒沢さんは照れながらも「To Yuta」と名前入りでサインを書いてくれました。
あの時の照れ笑いの表情を今でも鮮明に覚えています。
黒沢さんのことを思い出すと、先ず一番初めにあの時の表情が浮かぶのです。
黒沢さんの音楽は今でも全く色褪せません。
むしろ、今でも新しく発見出来るアイディアがたくさん詰まっています。
近年、歌声がどんどん洗練されていくのも僕は聴き続けてきたし、これからも聴き続けていきたかったです。
昨日の訃報を受け、それでも僕にはいつものように今日が訪れ、いつものようにリハーサルスタジオに向かう途中「HELLO, IT’S ME」を聴いていたら、いつの間にか涙が溢れていました。
黒沢健一というミュージシャンの人生と、僕の音楽人生が少しでも交差したことが心から光栄で、一生の宝だと思っています。
本当に本当にありがとうございました。

Vo.Gt 佐藤雄駿

 

小学生の頃からテレビやラジオで流れていた黒沢さんの歌声。
プロデュースをして頂いた時、何も知らない自分にも優しく接して頂きました。
その後もライブに顔を出して頂いたり、TV収録等にも呼んで頂きました。いつも優しく笑顔で接して頂いた事は忘れません。
これからは音源や映像としての黒沢さんの歌声で、皆さんに感動を与え続けて行くんだと思います。
ご冥福をお祈りします。
ありがとうございました。

Gt 田子剛

 

突然の訃報にただただ驚いております。
今でも、黒沢さんと制作したレコーディング風景を鮮明に思い出す事ができます。人あたりがよく、対等な目線で接してくださり、ミュージシャンとして大変貴重な経験をさせてもらいました。
また、黒沢さんのご好意で、特ダネ出演時のバックバンドとして叩かせてもらいました。リハーサルの際、足元のスピーカーから黒沢さんの歌声が聴こえた時、少年期からCDで聴いていた方の後ろでドラムを叩くという事実に鳥肌が立った事覚えてます。
本当に悔しくてしょうがありません。
黒沢さんと仕事ができたことは財産です。
御冥府をお祈りいたします。

Dr 額賀康孝

 

黒沢さんの歌とメロディに出会ったのは、小学校高学年の時。まだCDショップで実際に自分の手でCDを購入するのが恥ずかしかった頃。
ドラマの主題歌になっていた、L⇔Rのアノ曲を聴いたのが出逢い。人生で手にした2枚目のCD。 1枚目は親に買ってきてもらった奴で、2枚目のソレは《自分の手で人生初めて買ったCD》。
それが、L⇔Rでした。
それからずいぶん時間が経って、NON’SHEEPに加入し、いつかのライヴの後に御挨拶をさせてもらったのを覚えてる。
歌もメロディも、全て“この優しくて・やわらかい人柄”から滲み出てくるモノなんだなぁと。
御冥福をお祈り致します。

Ba 渡辺弘尚

 

中学生のとき自分がベースを弾き始めた頃、「L⇔R」といえば数々の名曲を世にリリースしていて黒沢さんにプロデュースして頂くことはおろか、お会いできることすらも想像してませんでした。
NON’SHEEPを通じてご一緒できたことをとても幸運に思います。
見ず知らずのサポートベーシストにも拘らず気さくに優しく接して頂き、本当にありがとうございました。
少しの時間でもご一緒できた経験を活かし、一曲でも多く世に素晴らしい音楽を残していきます。
ご冥福を心よりお祈りします。

小島剛広